ヒメバチの一種 (姫蜂、ガロアオナガバチ? :チョウ目ヒメバチ科)

新緑の林の中に立ち枯れたコナラがあり、その表面に小さな穴が無数に開き、割れ目もある。そこに、黒っぽい細長いハチが幾匹も来ていた。2pほどの体長のヒメバチであることはすぐ分かり、ずいぶんネットを探しまわったが、それ以上は分からなかった。なにせ日本で記載されている(ハチ目)ヒメバチ科だけで、1400種を越えているそうだ(日本産ヒメバチ目録)。種名を確定するのはとても難しいのである。
この、美しい小さい蜂は、人間には見当もつかない能力で樹木内の昆虫の幼虫の在りかを知り、そこへ産卵管をさし込んで産卵し、カミキリムシなどの幼虫へ寄生するのである。写真は、尻を高く上げて、樹皮の穴に産卵管をさし込んでいるところ。触角を曲げて樹皮に触れているが、樹木内部の様子を探っているのだろう。
産卵管が2本に分かれて見えるが、茶色の方(上の細い方)が産卵管の本体である。下のやや太く見えるのは「産卵管鞘」で、この鞘は2分されてチューブが開くようになっている。写真の場合は鞘で保護しつつ産卵管を挿入しているが、産卵管だけを樹木に入れ、鞘は使わない場合もある(「き坊のノート」に論文と別の写真も掲げました。こちらです)。

('09) 4月18日撮影 於府中市
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