スッキリと立っている赤松の大木があったのでケヤキの応用のつもりで、軽く手を触れ皮をむいてみた。上等なパイの皮のように軽くむけた。そこにこいつがいた。2cm弱で、てっきりムカデかなにか、多足類の仲間だろうと思った。 ところが多足類をいくら探しても見あたらない。そのうちに偶然に「ラクダムシの幼虫」というネット上の映像にぶつかった。ラクダムシという名前はどこかで聞いたことがあるが、どんなものなのか、きちんと認識していなかった。恥ずかしながら、それが昆虫であることさえ知らなかった。脈翅目(アミメカゲロウ目)だという。クサカゲロウやウスバカゲロウが脈翅目ですね。 それ以来赤松の皮にときどき手を出してみるが、たいていは硬くキッチリしていて、とても気楽に指先で皮がむけるようなものではない。ラクダムシが最も多いのは海岸の松林で、内陸部の赤松の多いところの枯死した赤松の樹皮下から幼虫が多数見つかっているという(日本動物大百科9『昆虫U』p15)。成虫は5月半ばにみられるらしい。 |