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第七巻 48
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煙出しの掃除

他人ひとの焚煙りを
あてに
おのが身は
細き竹すご
世渡り

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「煙出し」は「けむだし」。「煙出し」は古く『好色一代女』にある(日本国語大辞典)。「煙筒 えんとう」は幕末から使用例が見え、「煙突」は明治後半に使われ出した言葉。
日本の住宅ではエントツが造られるようになったのが遅く、煙突掃除人も明治になってできたのであろう。

日本の農家で普通であったイロリと茅葺き屋根の家は、屋根の妻から煙が出るようになっていた。つまり煙突というものがなかった。年中イロリの火を絶やさずにいたので、長年の煙で屋根裏はすっかり煤けていた。それが防虫になっていたという。

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