向こうに藁屋根がある。屋根の下が一面に赤い。近寄って見ると、唐辛子を干したのであった。女はこの赤いものが、唐辛子であると見分けのつくところまで来て留まった。 「美しいこと」と言いながら、草の上に腰をおろした。(青空文庫)