(1)このプログラムは、清水晴風(嘉永四年1851~大正2年1913)の作品『世渡風俗圖會』の素晴らしさを知っていただこうと思って作りました。
『世渡風俗図会』は全8巻からなり、全巻を国立国会図書館(以下「国立」は略します)がデジタル公開しています。『世渡風俗図会』には絵が約580図あり、その多くには晴風のじつに趣ある短文(詞書 ことばがき)が付いています。幾つかは題名だけで、無題のものもあります。
(2)晴風は子供の頃から字を書き絵を描くことが好きでした。それで晴風はとても能筆で、人形や玩具に関する美しい多くの画像と文章、その他多数の文書を残しました。町内の看板書きを頼まれたり選挙事務所の看板を引き受けたりもしています。
わたしは崩し字を読む練習のつもりで、晴風の正格な詞書をPC上に書き起こすことから始めました。自分で読めない所は□にしてあります。『世渡風俗図会』の翻刻文を公表するのが小論の最大の野心的試みです(わたしの知る限り、他に翻刻文は公表されていません)。
加えて、各図に関連する事柄を、興味の趣くままに調べました。必要な場合は別ファイルとし、リンクしています。
(3)晴風は第一巻から第八卷まで順に描いていったものとわたしは考えています。しかし大体のところ、第一巻~第五卷(約300図)は江戸時代の風俗、第六卷~第八卷(約280図)は明治時代の風俗であるぐらいを頭に入れておいて、特に巻の順序や、図の順序にこだわらずに観ていくのでよいと思います。それで十分に楽しめます。
(4)このサイトには、拙論「清水晴風のこと」と「『世渡風俗図会』とは」を置いていますが、『世渡風俗図会』の成り立ちや清水晴風という人物に関心をお持ちになった場合に、読んでいただければ幸いです。わたしの目下の試論です。
また、コメントを書いていて長文となってしまったもの4篇、 第一巻-04 「天王寺の庚申堂」、巻-48 「乞食(物貰い)」、第四巻-25 「三橋 みはし」、第七巻-24 「秋葉の原」をご案内しておきます。
(5)改訂版 サイトにアップしてほぼ一年経過しましたが、全体に目を通し、誤りや不充分なところに手を入れて、改訂版といたしました。特に「三橋 みはし」は新たに加え、「秋葉の原」は大幅に書き足しました。(追記 2018-11/25)
再び改訂 数ヶ月をかけて全体を読み直して、疑問個所を洗い出す作業をしました。基本はわたしは草書体初心者であるという初心に戻るということで、読みに自信がないところをいい加減な宛て推量で読んでいるのではないかと考えて見直しました。相当の個所で訂正しましたが、いちいち断っておりません。(追記 2021-04/18)
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