ミョウガ
(茗荷の花)
熱帯アジア原産のショウガ科。「花序や若芽を食用にする多年草。特異な芳香がある」と図鑑は言う。こどもの頃はこの「特異な芳香」が嫌いで、なぜ大人は湿ったゴミのようなにおいを好むのだろうと思っていた。
夏の後半になると庭の隅の薄暗い地面で、ミョウガがニョキニョキ頭をもたげる。薮蚊を追いながらひとつふたつ採って昼のソーメンの薬味にする。こういうものにも採り時があって、採りそびれると黄色い花がすぐ首を垂れ、ぬるぬるに溶けて汚なくなるし、鱗片の間にゴミが入って、下ごしらえに手間が掛かる。充実していて締まった新鮮なやつを細く切ってシャキシャキ感を味わう。「特異な芳香」が清涼の香となる。
('05) 8月27日撮影

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