シジミチョウ科のうち青緑に輝く翅を持つ一群の蝶を、愛好者は旧学名の zephyrus (ラテン語で“西風”だそうだ)をとってゼフィルスと呼ぶ。「舞う宝石」などと敬意をもって言われる。そういうことは聞いていたが自分で実際に目にし、撮影できるとは思っていなかった。ところが、自然観察園の薄暗い足元の草の上で休んでいるシジミチョウが、どうやらミドリシジミ(Neozephyrus japonicus)なのだ。 まず、“オヤ?!”と思ったのは、小さなシッポがついていることだった。赤橙の斑紋があり、特徴ある白線が幾本か走っている。1mほどのところで撮影できたが、風があって鮮明な写真はなかなか難しいものだ。風の息に葉があおられ、飛び去ったが、そのとき“青緑の輝き”を見た(ような気がする)。 |