ヒイラギ (柊の花)

毎日通る道に、50m以上も続くヒイラギの長い生垣がある。手入れが悪く、まちまちの高さで人の背丈よりずっと上まで暗い緑の壁を延ばしている。いつもは、その存在さえも忘れているのだが、冷たい雨の日、傘をさして歩いていて、とてもいい芳香がするので、おや、と思って立ち止まった。生垣の下がずうっと向こうまで白くなっている。花殻がちり敷いているのだ。
トゲのある葉の下に、白い花が茎にまとわりつく形でついているので、葉の下からうかがうように見上げないと花はよく見えない。花の付き方はキンモクセイとよく似ているが、匂いはずっとシャープで透明感がある。秋も深まってくるころから冬にかけて咲くので、「柊」の字がぴったりだ。

('07) 10月26日撮影 於府中市
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