暖かい陽差しの明るい日、野川に沿って自転車に乗っていると、行く手の草地から川岸へ黒い蝶が動いた。すぐ止まってたしかめると、今年初めてのコミスジだった。羽化したてだったのか、なんとなく翅にシワが残っているような、ぎこちない感じがあった。図鑑によると、コミスジは黒いのが♂で、茶色っぽいのが♀だという。これは黒いので♂なのだろう(?)。 コミスジは飛び方に特徴がある。翅をはばたくことなく、短距離の滑空をくり返す。滑空と滑空の間で飛ぶ方向や高さを不規則に変えるので、目で追っていても何となくはぐらかされてしまう。 数日後に林の中で、2匹のコミスジが互いに追いあって、高く上がりまた地面近くまで下がってくるのをくり返していた。滑空と滑空の組み合わせにリズムがあって、まるで、優雅なバレーを見ているようだった。 |