野川の遊水池の草地のなかで、カノコガらしいのを見つけた。翅の一部が半透明に透けていて、優雅な感じがする。フカフカ感のある山吹色の腹を鮮明な黒帯がいくつも巻いている。これは、初めて見るキハダカノコガであった。 前に、カノコガで紹介した岐阜大の近藤雄介氏によると、日本にはカノコガ亞科に4種あり、その2つがカノコガとキハダカノコガであるという(残りの2種は与那国島に分布する)。昼間活動するこれらの蛾が、黄帯が二本のカノコガと黄色に多くの黒帯のキハダカノコガとが視覚的に棲み分けている、というような研究を近藤氏はしているという。 わたしは、鹿の子模様の翅の美しさに目を奪われていた。 |