陽が当って暖かそうなケヤキの大木の表面をていねいに辛抱強く眺めていると、小さな茶色の虫がチョロッと動く。その辺りに視線を集めていると、樹皮上を5mmに満たない小さな虫がすばやく動くのに気づく。目が慣れてくると、こいつらは意外に多いことが分かる。翅を三角にたたんで止まるので、まるで微小な蛾のようでもある。 細い糸状の長めの触角、鱗粉がついているような翅、ケヤキの樹皮の間にいると、まったく優れた保護色で、動かないと見つけられない。複眼にまで不思議なカモフラージュ模様がついているかのようだ。顔は牛か河馬を連想するような草食系の顔付きで、実際、微細な苔などを食べるという。 ウロコチャタテ科の一種だろうと考えている。害虫として知られている屋内にいる無翅のチャタテムシと違って、この有翅のチャタテムシは苔類を食べる微小昆虫で、人間と利害関係がほとんどクロスしない。わたしは何となくこいつが気に入って、1ヵ月以上写しまくっている。チャタテムシの映像をこちらにも置いた。 |