コバチの一種 (小蜂 :ハチ目ナガコバチ科)

わたしの昆虫写真のコンセプトは、平凡な虫ケラにしか見えない小虫でもそこに「美」が発見されるはずだというものだ。多くの昆虫写真が美しいチョウを美しく撮ることに熱を上げているのを、わたしは少し離れた所から見ている。ところが、目を引きつけられる美しい虫を自分でも思いがけず撮影できると、やはり昂奮してしまう。
枯れ枝が集積してある所で、1cm弱の金緑色に輝く虫が樹皮表面を探るようにしているのが目に入った。それが樹皮を移動しながら、最後は杭の上から翅をひろげて飛び立つまでを10コマほど撮ることができた。ところが、金緑色の鎧を身につけたこの虫が、どのような種類の昆虫であるのか見当もつかなかった。ネット上を探索していて、偶然に「蜂が好きBBS」に八丈島産の類似種が出ているのに出会い、それに関連して質問し、これがコバチであり、ナガコバチ科の一種であるらしいことを教示された。
通常のコバチは数o以下でわたしのカメラの領域外だと思っていたが、1cmほどのとびぬけて巨大な種がいるのだそうだ。今回はそれをたまたま捉えたのである。昆虫界のサイズについて、想像もおよばぬ広い世界があることを学んだ。

('11) 6月5日撮影 於府中市
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