地表を走るアリだと思った。赤い色で様子が違うことに気付き、追いかけるようにして写した。落葉の下や小石の隙間に身を隠す。また、走り出す。薄暗い林床の小径で、フラッシュを使ってやっと静止映像が撮れた。体長は7oぐらい。 アリバチの仲間であることはすぐ見当がついた。腹部に白帯がひとつあり、脚が赤褐色であることから、トゲムネアリバチとした。図鑑などの絵合わせでは、ムネアカアリバチとの区別が難しい。トゲムネは白帯中央が太く、ムネアカは白帯中央が細くなっていて、脚が黒っぽい(ただし、白帯中央の太さ細さは、図鑑では区別点にあげていない)。 「月刊むし」の2011年3月号は「日本のアリバチ」特集で、日本産全17種が出ている。♀は翅を失ってアリと見紛う姿だが、♂は有翅で色も違うのだそうだ。地上を這うアリバチ♀は針をもち刺されるととても痛いという。それでこの特集の副題は「美麗なアリには手を出すな」としゃれたものになっている。 |