浅間山公園の登り口にアカメガシワの若木があるが、その周辺に幼木がいくつも生えている。高さがせいぜい50cmほどで柔らかな葉が付いている。いくつかの葉には小孔が無数にあり、その葉を調べると、極く小さな丸い甲虫がいた。図鑑によると体長2.5mmで、サメハダツブノミハムシであることが分かった。体の割りに触角が長い。 わたしは写真の面白さから昆虫趣味に入ったので、正統の昆虫マニアのように“その食草はなに?”というふうに頭が働かない。ところがこの場合は珍しく“アカメガシワの葉に着いていた小さな甲虫”で、図鑑の記述とぴったり合った。 柔らかい葉は微風で絶えず揺れ、鮮明な写真が撮れず苦労した。葉に手を伸ばすと、ノミハムシの名前の通りピンと跳んで消えてしまう。なかなかの難物である。「鮫肌」という面白い名は背中に「一様に網目状に微細印刻を具え緑銅色に鈍く光る」(北隆館図鑑)ところから来たようだ。それを写したいのだが、まだまだ、到底むりだ。これまででベストと思える「背中」を拡大図に貼りつけておいた。 |