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第一巻 32
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短冊賣

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七夕の前に、短冊売りが来た。
享和年中(1716~35)迄は、短冊紙や色紙とて、丸紙のまま売り歩きしが、この頃(天保)よりさま/\に形を裁ちて、書くばかりに仕立て売るゆゑに、以前の紙売りは止みけり。また近頃は形に裁たる、その裁屑をまぜて、十枚四文三文くらいに売あるくなり。『宝暦現来集』巻五
山田桂翁『宝暦現来集』は、江戸後期の巷談集。宝暦十年1760 生まれの桂翁は、七十二歳となった天保二年1831 に、それまでに見聞したことを書き綴った、と序文に述べている。第二十一巻まで、かなりの分量がある(国会図書館デジタル公開)、『近世風俗風聞集』第三(国書刊行会1913)に入っている(ここ)。
上の短冊売りのような市井の小さな事から、江戸の大火について長文にまとめるなど、広範囲の情報が詰まっている。

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