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第一巻 45
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御釋迦の誕生會

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灌仏会、仏生会などともいう。毎年4月8日。
日本では、様々な草花で飾った花御堂を作って、その中に灌仏桶を置き、甘茶を満たす。誕生仏の像をその中央に安置し、柄杓で像に甘茶をかけて祝う。

宗派に関係なくどの寺院でも行う。甘茶は参拝者にもふるまわれる。「花祭り」と言うようになったのは、明治以降。

仲田定之助(明治21年生れ)は母に連れて行ってもらった灌仏会の思い出を語っている。
明治時代、東京では浅草観音、芝増上寺、本所両国の回向院、日本橋茅場町の薬師、そのほか名のある寺々では灌仏会を催して賑わっていた。当時はまだ花祭りとは云わなかった。(中略)境内になん軒か並んでいる竹筒売りの露店で、細長い青竹の手提げ桶を買って貰った。それは孟宗竹の一節を手桶形に作った筒で、別に小さな手杓をつけて売っている。それを持って行って接待の甘茶を頒けて貰い、うちへ持ち帰って、みんなして一杯ずつ飲むのだった。『明治商売往来』の「竹筒売り」

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