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第二巻 08
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朝皃賣

朝皃賣 夏の末より
秋にかけて毎朝
朝顔や/\と呼で
町中を賣りあるく者也
朝皃 入谷を以て第一
の養成場とす
年々替り花を生ずれ
是に相当なる名を附して
販賣盛りなるといふ
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「朝顔」に「皃」という今は見慣れない字をつかっている。この字は、明治時代までは案外使われている。

今も朝顔市は人気だが、江戸時代から朝顔の名前を色々と工夫して売っていたことが分かる。
「夏の末から秋にかけて」売りに来ると言っているのは旧暦だからだろう。現在の朝顔市は、七夕にあわせて7月6、7,8日などとしているから、夏の前半という感じだ。これは旧暦では五~六月となる。旧暦の夏は四,五,六月であるから、新暦の七夕は旧暦の夏の半ば以降であるということになる(閏月が入ることもある)。

『続飛鳥川』に次のように出ている。
朝顔の種類色々出る事、文化の始よりの事なるべし、夫より直段も高くなり、会も有り、すりものも出来、板本も出たり、当時はすたりたり、 「新燕石十種 第一」による
「直段」は「値段」。

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