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第三巻 32
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白酒うり

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『温故年中行事』に原画がある、(ここ)

…雛祭に白酒を使うようになったのは19世紀に入ってからのようであるが,白酒そのものは江戸初期にはすでに京都六条油小路の酒屋でつくっていたものが有名であった。山川酒というのがそれで,歌舞伎の《助六》や《乗合船》に登場する白酒売は〈山川〉と書いたうちわを手に持っている。幕末近く大坂と江戸に白酒で有名な店があった。…(世界大百科事典より

“山の中の川が泡だって白い”ところから「山川酒」という語ができた、という。江戸の白酒は「神田鎌倉河岸の豊島屋」が有名。菊池貴一郎『絵本風俗往来』は白酒を売り出した豊島屋の賑わいを描き、次のように述べている。
三月雛祭りに用ゆる白酒を売出すこの店の製は豊島屋特色の醸造にて無類の味ひ。・・・白酒の売出しは店前の人山をなし吾先にと争ひ求む。先ず、店頭へ桟敷を構へ入る客出る客を量りて売る。中には人堵[じんと ひとがき]すさまじきに驚き絶倒する客ありしとて、兼ねて医師気付薬を準備して控えたり。上編巻之弐
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