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第三巻 60
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初世立齋廣重筆 草稿画中より縮図す

虚無僧 薦僧 普化僧 ぼろんじ

   下総国に一月寺といふ有又江戸浅草
   新掘端に薦僧寺有りて虚無僧
   を處理す

虚無僧の吹尺八の子煩悩 慈愛 同し
鶴の巣籠り  晴風

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「歌川廣重」は「一立齋」、「立齋」と号した。この初代広重の草稿は「広重人物画稿」(清水晴風旧蔵)として国会図書館がデジタル公開している。これの原画はここ

「広重人物画稿」の末尾に晴風によって「後書」が付けられているが、この「画稿」が晴風の手にわたった経緯が記されている。

この「虚無僧」(三-60)も含めて、第三巻には残り24枚の作品がある(末尾は三-83)が、その内「葛西金町半田稲荷」(三-77)を例外として、他はすべて「広重人物画稿」を原画としている。晴風が「広重人物画稿」を三代広重の遺品としてを贈られたのは明治27年であるから、『世渡風俗図会』第三巻が製作されたおおよその時期が分かる。

「鶴の巣ごもり」は尺八の有名な曲、
普化尺八の曲中、例外的な描写曲で鶴の親子の愛情を描く。ブリタニカ百科事典より
「尺八の音」と「子煩悩」の「子 ね」を掛けているか?

第一巻 44 に「こむそう」があった。

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