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第五巻 09
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乞喰芝居


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1人で工夫して芝居ごとをして、銭をもらう。男女の掛け合いの場面は、顔半分を男女に作り、滑稽味をだす。衣装には金銀の紙などで紋を切り抜いて貼る。ふだん汚れて日に焼けた顔に、形ばかり白粉を塗り墨などを用いる。
この役者に付き沿ふもの二三人ありて、芝居中、両側の町家店頭に至り、戸々に
「ヘエ、新狂言仙臺萩御殿場」
などといひては銭をもらひて廻る。これ打間的劇こじきしばゐ光景ありさまなり。
菊池貴一郎『絵本風俗往来』(p401)より
伊藤晴雨『江戸と東京風俗野史』(弘文館 1927)に、「大道の一人芝居」があるので、紹介しておく。これは一人で二役を同時にこなすという乞食芝居。

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