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第五巻 10
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寒晒しら玉の安賣

砂糖を入て
十で四文と呼び
あるきぬ

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この「晒」の草書体を見た時には、まったく閉口しました。担いでいる桶に同じ字があるのに気付き、だんだん分かってきました。

晴風『街の姿』111の「寒晒しら玉売」はほとんど同じ図柄で、「砂糖を掛けてとふで四文」と説明がある。
冷水ひやみず売は、冷水に白玉だんごを入れて売った。製氷会社ができるのは明治16年1883であるから、江戸時代は冷水といっても井戸水であったから、白玉をいれて金を取るようにしたのであろう。

冷水売は有名なものなので、『守貞漫稿 六』から一部を引いておく。
冷水賣 夏月、清冷の泉を汲み、白糖と寒晒粉の團とを加へ、一椀四文に賣る。求に応て八文十二文にも賣るは、糖を多く加ふ也。賣詞、ヒャッコヒ、/\と云。
同書「冷水賣」の挿絵はここ。ただし、挿絵では「水賣」としている。

第四巻-21「飲用水賣 みずや」で詳しく述べたが、飲用水を(多くは毎日定期・契約して)担いで来る「水賣」と、白玉を入れる「冷水賣」とは別もの。

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