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第五巻 22
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掃込婆々
     安政年頃

さつさ掃込/\どん/\と掃込
大判小判を一度に掃込さつさと掃込/\

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この婆さんは「大判小判」を掃き込む所作をして、銭をもらおうとする乞食。箒には、多数の大判小判の模型がくくり付けてあって、この婆さんの活発な所作を盛りあげている。『守貞漫稿』七巻の「掃除をしょ、庄介しょう」と似ている(第八卷-90に出しておいた、ここ)。

関東から関西まで分布している「春駒」の唄い初めのところ、
サアサアのりこめ、はねこめ、蚕飼こがいの三吉
のったらはなすな、しっかとかいこめ(川元祥一『旅芸人のフォークロア』農文協1998
に調子が似ている。
「春駒」より普及していたかも知れないのは「節季候せきぞろ」の文句
サッサ節季候、毎年まいねん毎年まいとし、旦那のお蔵へ金銀お宝、飛び込め舞い込め『江戸の下層社会』p108
この婆さんは、こういう、誰の耳にも親しい文句を使ったのだろう。

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