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第六巻 04
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ハン賣
此類のパン賣一時流行す思ひ/\趣向をこらし
続々出来たれども皆半途にして止む
パンたらパン木村屋の
パン上等のパン勉強の
パン出世のパンメリケンの
パンビスケのパンといふて
前にブリキ製の大太鼓を
抱き撥にて面白く調子
を取って市中を賣歩行
◆-◆
「半途」は「はんと」、今はあまり使わない語だが、学業・事業などの「なかば、中途」の意。「途半ば」。
上等・勉強・出世・メリケン(アメリカ)・ビスケ(ビスケット)と順不同にプラスのイメージを並べてパンにくっつけたということであろう。
「賣歩行」は「売りあるく」。
三谷一馬 『明治物売図聚』(中公文庫2007)にこのパン売りと同じ売り手を描いたと思えるものが入っている。
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