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第七巻 44
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灰買

灰買 月の空座も
戀の□も
かせぐの外に
裏表なし

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「灰」は「煙」の縁語で「月」や「空」と結びつく。また「灰を焼く」から「恋」の縁語となる。「灰買」はそういう縁語の世界とは無縁で、裏表なく稼ぐだけ、ということか。肝心の所が不明字だが、「脊」で「恋の瀬」の宛字か。

「灰買」が産業として重要であったこと。
近世初頭の文化人としても著名な灰屋紹益(佐野紹益)を出した灰屋は,京都で紺灰を扱う豪商であった。江戸時代には灰買いが都市の灰を買い集め,川越などにはその灰を取引する定期の灰市はいいちも立った。また,山村などでは山仕事の一つとして灰山はいやまといって山で木を焼いて灰を作る作業があり,紺屋用や酒造用に売ったり,肥料とした。世界百科事典「灰」より
なお「紺灰」とは、染色の際のアルカリ性物質として使われた上質の灰のこと。合成化学が産業化するまでは、「灰」を集めることは重要であった。

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