画像をクリックすると、拡大する。

第七巻 87
 【 前へ : 目次 : 次へ

智恵ぬき賣

とたんの針金にて
屈曲せしものを造り
の輪を中央に入
込熟考せされは抜
さる様に作意せし
もの是を智恵といふ

◆-◆

「知恵の輪」という語は江戸時代の雑俳などに登場している。
知恵の輪をぬく間に夏の夜明哉 慮推
「とたん」は亜鉛メッキのこと。「とたんの針金」は、亜鉛メッキしてある鉄線ということであろう。
「wirefactory」という面白い趣味のブログに「日本の針金細工」があった。その一部。
日本にも、大変古くから針金と針金細工が存在していました。各地に残る古墳時代の遺跡からは、青銅や銅を細く削った針金状の金属が多数出土しています。奈良時代には金属をたたいて延ばす加工技術も確立し、装飾品や仏具などに広く使われました。鉄製の針金は武具・針などの実用品に、金・銀針金は装飾品に、銅の針金は篩や金網など、様々な用途に使われていきました。刀剣の飾りなど素晴らしい作品が現存しています。
江戸時代後期には、「ダイス」を使い人力で曳くのはもちろん水車を使ってワイヤーを大量生産する技術も普及していた。
溶かした亜鉛の中を潜らせる「どぶづけ法」でメッキが行われていたのであろう。

『人倫訓蒙図彙』に「針鉄師はりかねし」があり、江戸前期の針金利用を示しているので、引いておく(ここ)。

◆-◆
 【 前へ : 目次 : 次へ
inserted by FC2 system