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第七巻 88
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 君買たまへ一銭のなれ 百圓の官員様
 二銭のなれ 三百圓の官員様 両方めせ
 総理大臣 U 此針かねを鼻の真中へはさ
 め 落るといふ氣遣ひなし 又 U これ
 耳に掛る欠伸をしても落ませんよ
 サア/\髭の安賣を買たまへ/\

墨堤の花白雲と
見まがふ真盛の好時
誰も心 浮立もの
から一二の友人を誘ひ
酒樽の坊主持三人酔
文珠の智恵三巡り
の鳥居もなき陀洒落
を吐きながら白髭の社近く進
堤の道邊に洋装出立の髭男
是なん此頃流行の髭賣にてそ

  邪魔なれ
  髭取退よ
  花に酒

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「U」としたのは針金細工のマークのこと。
「坊主持」は坊主とすれ違うまで交代で荷物を持つゲーム。「三人寄れば文殊の知恵」を「三人酔えば」と言った。「三巡 みめぐり」は三巡稲荷が有名。その「鳥居」と「取り柄もなき」を掛けた。「陀洒落」は駄洒落。

晴風はノって書いているが、それだけここの読解は難しかった。
特に「邪魔」は難解で、しばらく不明字としていた。それが読めるようになったいきさつを簡単にまとめておいた(ここ)。自分にとっては愉快な体験でした。
なお「髭取退よ」は「髭取りたいよ」の宛字。

第六巻 22「付髭売」があった。

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