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第七巻 95
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蝙蝠傘膳ひ直し
蝙蝠や
莟めて
帰る傘の上
◆-◆
正しくは「繕ひ直し」
「
窄
(
つぼ
)
める」を、音を借りて「莟める」と書いている。宛字ではあるが意味も合っていて、雅でいい。ただし、晴風は莟の「今」のところ、少し異なる俗字を書いている。
「蝙蝠傘」という語は『武江年表』の慶応三年(1867)5月の項に出ているという。
此の頃、西洋の傘を用ふる人多し。和俗
蝙蝠傘
(
こうもりがさ
)
といふ。但し晴雨ともに用ふるなり。始めは武家にて多く用ひしが、翌年よりは一般に用ひる事になる。
(
東洋文庫2 p214
)
和傘は紙に引かれた桐油の香りが高く、広げるときに勢いよく「バン」と音がしたのを懐かしく思い出す。わたしの小学生のころ(昭和20年代)のこと。
なお、鈴木勝好「
洋がさタイムズ
」(復刻・永久保存版)という労作に学びました。
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