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第八巻 07
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肺量器

此肺量器は一銭を投すれは器中に息を吹込む
ことを得るもの也 而て三千八百立方を普通とす夫より
以上に達すら 肺絶者又以下 肺弱の者と知る器械とぞ

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「肺絶者」という面白い言葉が出ている。肺が絶倫に強いということ。

すでに明治9年に警視庁がこの器械を買い入れたという新聞記事がある。
此ごろ警視庁にて巡査を検査の節、その肺臓の強弱を試す器械を設けられたり。其形の大略を申さば、時計の如き物にゴムの管を付けたるなり。其管の小口より息を吹き込むに、通例の身体にては、中の針が一廻り半より二廻りぐらゐ廻り、虚弱なる者は一廻りより内なりと云へり。去る4日に、お買ひ入れに成りたる代金三十二円五十銭なるよし。東京日日新聞 明治9年10月6日
この計測値を肺の「強弱」と直に結びつけている。

いまは肺活量というが、標準的な値は性別や年齢によって異なり、男性で4000-4500mL、女性で3000-4000mLとされている(ウィキペディア)。

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