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第八巻 22
万年筆(まんねんふで)は矢立の異称で「好色二代男」にある(日本国語大辞典)。万年筆(まんねんひつ)は明治後半に出現する語らしい。 矢立の異称ではない万年 (前略)此に日本橋区本石町時計商大野徳三郎氏なる者あり、一種の筆を発明し名づけて万年筆と云ふ、形、普通の鉛筆の如く、其軸中に洋墨を詰め「洋筆漢筆」の折衷の筆であることは確かだ。晴風が取りあげたのはこれか。 森銑三『明治東京逸聞史』の明治36年条に「万年筆」があり 坪谷水哉が「万年筆よ、汝は日夜わが懐中を離れず、森銑三は上の続きで、万年筆の広告を紹介して「二円五十銭から十円まで各種ある」とし、「この頃から万年筆の次第に広く用いられようとしていたのは事実であろう」と記している。 |