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第八巻 79

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神佛御像御守賣

豆大金色の御像わづか
弐銭ヅゝにて賣るものなり
買ふ者の歳に依りて守本尊
と称す子の歳ハ千手観音
丑の歳ハ虚空蔵寅の歳ハ
同卯の歳文珠辰の歳ハ普賢
巳ハ同牛の歳ハ勢至未申の歳
ハ大日如来酉の歳ハ不動明王
戌のとしハ阿弥陀如来亥も同し
又摩利支天等又善光寺如来
穴森稲荷八幡大菩薩等の
御歳像を守仕立にて賣る
　　　　　ものな也

　　明治参拾五年之夏頃

◆－◆
「牛の歳」は「午の歳」。「ものな也」は「な」が余分。

生まれ年による守本尊は、通常次のようであるとされる。晴風もこれに従って書いている。

生まれ年	守本尊
子	千手観音
丑・寅	虚空蔵菩薩
卯	文殊菩薩
辰・巳	普賢菩薩
午	勢至菩薩
未・申	大日如来
酉	不動明王
戊・亥	阿弥陀如来

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