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第八巻 82
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豆ソツプ賣

明治二十五六年の頃来る一ぱい
砂糖を入て壱銭にて商ふ牛
乳にまさる滋養分ありと効能
を述べれども味ひ悪きか為暫時に
してすたる其後明治三十五年
の夏神田区松住町に社を設
盛大に製造すと雖も前の如く
一はい賣をなさず月極の
配達を専らとす

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「豆ソップ」は「豆スープ」、今の豆乳。

神戸の大石市場では阪神淡路大震災までは「豆乳 ソップ」を販売する豆腐屋が3軒あったという(mars日記)。

次の例は「牛肉ソップ」であるが、「ソップ」という語は早くから使われていた証拠に。
今度浅草田甫たんぼ平野亭にて製する牛肉ソップは、其臭気を去り婦女子にも用ひよきやうにして、注文の向へは毎朝配達する由。南伝馬町の太平堂、銀座の大平組にても取次ぐといふ。朝野新聞 明治14年(1881)4月8日
なお、『日本国語大辞典』(小学館)によると森島中良『紅毛雑話』(天明七年1787)に「ソップ」という単語は出ている。

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