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第八巻 89
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ぶどうもち賣

此葡萄餅は昔より
縁日などに出て賣しもの
なり今に至りても
昔しに替らず必ず
縁日に 定見せ
を出すもの也

縁日で土産に甲斐の葡萄餅
信玄袋提たとも見ゆ

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「定見せ」は「定店」

ぶどう餅は香川県の白鳥神社周辺で販売され、小豆こし餡を一口大に丸め蒸し上げたもので、由来は戦国時代にさかのぼるとされている(大辞泉)。全国に広がり、縁日の定番お菓子となったということであろう。こし餡の色がぶどうに見えるので、ぶどう餅というらしい。ただ、近頃は本当のぶどうの実をひとつ入れたぶどう餅も販売されている。

晴風の狂歌は、縁日の土産に買うぶどう餅=甲斐のぶどう、甲斐=武田信玄=信玄袋、と縁語で結んだ駄洒落の盛りだくさん。

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