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第六巻 61
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こさ笛賣

こさ笛 昔よりありし物なりしが近頃是を
賣る者を見受たり

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「こさ笛」は胡沙笛と書くことが多いが、 アイヌの笛にヒントを得たものという。晴風『うなゐのとも』第2編に美しい絵がある「胡沙笛」。

橘南谿『東遊記』巻之四に「胡沙吹 こさふき」があり、その冒頭に藤原為家の和歌を「夫木抄」巻十三・秋四」から紹介している。
こさふかば曇りもやせん陸奥みちのく
      蝦夷には見せそ秋の夜の月
すべて蝦夷人は種々の奇術ありと云。其中に、口より霧のごときものを吹出し、或は敵に逢ひ、又は猛獣に出会たる時、此霧をはき、我身を隠し、其難をのがる事あり、是をコサ吹といふなり、笛声てきせい山気さんき動き登りて、月も曇るといふ。
『夫木抄』(夫木和歌集)は、「日文研データベース」の「和歌」にある。

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