ムクドリは群れをなしてギャーギャー大声をあげるので田舎者の群の形容につかわれたりして、評判がよくない。人家の戸袋に営巣してダニ騒ぎになったりで少しもありがたがられない。でも、1羽だけ澄ましたところをみると、なかなかの容姿である。 体全体のバランスがよく、顔つきが精悍である。実際、非常に気が強くて、その行動が万事“オフェンスモード”であるのは人間女類のうちの“オバサン”が髪を固め厚化粧して往来を歩いているのを彷彿させる。自他をヘイゲイして恐れるところがない。 しかし、なんと言っても目立つのは、黄色のクチバシと脚である。毅然としていて迷いがない。わたしはオバサンには毎日の買物でヘイゲイされているが、ムクドリにはシンパシーを感じている。なにせ、田舎もんなので。 |