黒い翅に白い斑点が散在する地味なチョウ。一見、蛾と思ってしまう人があるかも知れない。大きくもないこのセセリチョウをなぜ「ダイミョウ」と呼ぶのか疑問を感じていた。写真のように翅をひろげて止まることが多いので、それを大名の前でひれ伏す家来の様子にみたてたのだという。ズイブンな命名だと思う。それなら“モンツキセセリ”とか“カミシモセセリ”とか言えなかったのか。 白斑は前翅についていて、後翅には白縁がついているが他はほとんど黒い。だがよくみると、前翅の白斑模様のつづきが後翅の中ほどに白く汚れたように半円状におぼろに見える。このタイプを「関東型」というのだそうだ。「関西型」は、後翅に明瞭な白斑が並んで、半円をつくっている。それらの中間形もある。 |