夏の間は薮蚊がひどいので敬遠していたが、やっと秋空の気配になってきたので浅間山[せんげんやま]にでかけてみた。セミの声が無く、昼なおすだく虫の音だけになった。林の中でドングリが落ちる音が、あちこちでしきりにする。まるで独歩の「武蔵野」の世界だ。 浅間山の頂上には小さな祠[ほこら]があるが、ずっと前にアオゲラを写したところ。3時頃だったが、低くなった西日が頂上の地表を照らしている光の中に、よく目立つアカタテハが来ていた。飛び立っても、必ず光の中に止まっていた。両翼端は目立つが、間の地味な色合いが地面とまぎれて、巧みな保護色になっていることに初めて気づいた。この個体は後翅端をすこし失っているが、これも秋の蝶の風情である。 (一度、ヒメアカタテハとしてアップしました。訂正します) |