公園の木道がかこむひろい草地を、すごい速度で右へ走りぬけ、ついで左に走りぬける黒い蝶がいた。高さは2mほどの空間である。「あっ」と気づいて立ち止まってみていると、そいつはすぐに向きを変え、木道の上にピタッと止まった。越冬したルリタテハがなわばりを張ろうとしているのである。同じような行動をくり返している内に、もう一匹が現れ、もつれ合った。 この美しいチョウが止まって翅をひろげると、誰しも、ハッと足を止める。あわてて追わずに、なわばりを求めてかならず元の場所近くに戻ってくるので、それを待って写せばよい。 |