オナガサナエ (尾長早苗♂の死体 :トンボ目サナエトンボ科)

こういう珍しいこともある、という例として取り上げる。いつものように浅間山の道を歩いていて、足元の黄色と黒のトンボに気づいた。きれいだなと思ったが、その時点で名前を知らないトンボだった。写真はそのとき写したもので、わたしはまだ手を触れていない。蟻もまったくたかっていない新鮮な感じのする死体で、とりあげた時、“まるで合成樹脂製のオモチャみたいだ”と感じたのを覚えている。首がぐらついていて、尾端のふくらみが少しほころびていた。それ以外はまったく損傷がなかった。(拡大図は、強くトリミングして90°回転したもの)
体長6p。サナエトンボらしいことは見当がついたので、オナガサナエをつきとめるのは難しくなかった。浅間山には小さな湧水があるだけで、水に乏しく、トンボは少ない。ましてオナガサナエが発生するような渓流はない。移動の途中で、何らかの理由で死んだのだろう。浅間山公園の林床に入りこんだのか、それとも、樹冠で夜を過ごしていて死んで、落下してきたのか。

('09) 6月13日撮影 於府中市
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