アカマダラケシキスイと同じヤマナシの熟した実の中にいたのが、這い出してきたところ。体長5mmほどで、透明感のあるコハクのような色合い。少しも止まらないのでカメラが追いかけている。 宮澤賢治「やまなし」は幻燈用のシナリオのスタイルをとった短篇で、山の谷川に棲むカニの父と兄弟ガニの会話で、水中の情景が展開する。谷川にヤマナシの実が落ちてくる。父子のカニたちはそれを追って流れをくだり、ヤマナシがひっかかって止まるところまで行く。そこで父ガニは兄弟に「やがてこいつが熟すと実が水底に沈んで、おいしく食べられるようになるぞ」と教える。マダラケシキスイたちの行動をみて、「やまなし」を思い出した。 |