ミズギワカメムシの仲間 (水際亀虫 :カメムシ目ミズギワカメムシ科)

“春一番”が吹いたと気象庁が発表した日、野川遊水地に行ってみた。湧水を導いている小流のあたりにハエ(アシナガバエの仲間か)がいるのを写すつもりだったのだが、それよりはるかに小さい黒っぽい虫がいた。翅の先までで5mmほど、カメムシらしいことはすぐに分かった。野原を20pばかり堀くぼめただけの小流の土壁にいて、かなり敏感に飛び立つ。単独だったり、2匹が交尾姿勢らしきことをしたりする(マウントスタイル)。
複眼がとても大きく、しかも、飛びだしているのが目につく。翅に白い斑紋があり、橙色のブーメラン状の模様が1対ついている。この模様があるのは、エゾミズギワカメムシらしいのだが、情報が少ないので、ミズギワカメムシ科ということにとどめておく。「後ろあしが発達し、よくジャンプする。水ぎわの湿った地面や岩の表面にすみ、小さい節足動物やその死体の体液を吸う」(『日本動物大百科 8』p173)。
交尾姿勢の写真やその他の追加情報を2/26に追記しておいた。小流の土壁には霜柱ができているのだが、そういう早春に、陽があたれば活動するらしい。また、この時期に交尾もする。興味深い生態のようだ。

('11) 2月25日撮影 於小金井市
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