クワカミキリ (桑髪切 :甲虫目カミキリムシ科)

これから花が咲きはじめるキツリフネの柔らかい葉にしがみついている大型のカミキリムシがいた。堂々たる白黒の触角、特徴ある黒班のある肩などからクワカミキリであることはすぐ分かったが、実は、わたしはこの成虫を見るのは初めて。わたしは戦後の子供時代を山陰の山の村で腹を空かせて過ごしたので、イチジクの枝に巣くっている“鉄砲虫”を焼いて食べるととんでもなくうまいことはよく覚えているが、それの成虫クワカミキリは見たことがなかった。
桑やイチジクの害虫であるが、養蚕が下火になってクワカミキリも珍しい昆虫になっている。ネット情報では、ケヤキを育てている林業で重大な害虫としてちかごろ注目され始めているそうだ。卵が生木の枝に生みつけられ、幼虫がその芯を下へ向かって真っ直ぐに喰い進む。それで“鉄砲虫”の名があるのだそうだ。山陰の村でもそう呼んでいた。

('11) 8月23日撮影 於小金井市
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