南風が吹きつのって荒れ気味のやや温かさを感じる日、浅間山公園に出かけた。南風が直接あたる側を避けて雑木林の中を伸びる北側の細道を行く。道を作っている杭の上に砂粒大のものが乗っているのに気づいた。指を伸ばすとピッと跳んだので“虫だ!”と胸がおどる。というのは、今春は寒さが続き、フィールドに出ても虫らしい反応がなかったのだ。 マクロレンズを覗いてノミゾウムシであることはすぐ分かる。3〜4mmほどだ。杭毎に1匹は乗っている。杭の側面にもいる。同じ道は2日前に通っているが、そのときにはまるで気づかなかった。ケヤキの皮の下などで越冬していたのが今ごろ出てきたのだろう。近寄りすぎると跳ばれるので気をつけて写す。 写真はまるで室内撮影みたいだが、そんなことはない。雑木林の上は南風でゴウゴウと鳴っている。わたしは杭の傍に膝をついて、レンズの先端を杭の上面にちょっと当てて手ぶれをどうやって減らそうか苦心している。 |