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第一巻 11
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【歌比丘尼 うたびくに】
近世、歌念仏やはやり歌などを歌い、施し物を求めた尼。のちには売春する者も現れた。(大辞林)
『人倫訓蒙圖彙』第七巻の「うたびくに」が原画になっているが(これ)、筆と木版の差もあり表情がだいぶ違う。次のような説明の文章が付いている。
もとは清浄の立流にて、熊野を信じて、諸方に勧進しけるが、いつしか衣をりやくし、歯をみがき、頭をしさいにつゝみて、小歌を便に色をうるなり。功齢歴たるをば御寮と号し、夫に山伏を持、女童の弟子あまたとりて、したつる也
「立流」は「立派」と同じか。「立派 たては:各派の拠って立つ立場。各派の領分。また、一派を立てるべき主たる趣旨」(日本国語大辞典)とある。
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