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第一巻 15
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人倫訓蒙圖彙
所載

門せつきやう


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かど説教。『人倫訓蒙図彙』巻七に原画があるが(ここ あわせて「街頭生活者繪巻」も紹介した)、晴風は人物3名を中に寄せて描いている。どちらも雰囲気があって、良い絵だ。
左図の晴風は歌や笑い声が聞こえてくるように活き活きしている。『人倫訓蒙図彙』の原画は胡弓を持つ若い人の動きが感じられる。

『人倫訓蒙図彙』巻七の解説は、興味深い。図で分かるように、三味線・胡弓・ささらの3人組である。
門説教かどせつきやう
小弓引こきうひき、伊勢会山あいのやまより出る。此所のふし一風あり。小弓はもとは琉球国よりわたすとかや。小弓に馬の尾をはりて、糸をならすゆへ、かくいふ也。物もらひに種なきとはいへ共、小弓引、編木摺ささらすりはわきて下品げぼんの一属也。
「小弓」はいまでは胡弓と書くのが普通。「下品 げぼん」は仏教用語で、成仏する中で極楽のもっとも下の階層をさすが、ここでは穢多・非人などの下層民を示している。

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