画像をクリックすると、拡大する。

第一巻 52
前へ : 目次 : 次へ


願人

◆-◆

願人坊主 がんにんぼうず】は、江戸時代に存在した大道芸人の一種。穢多・非人に連なる賎民であるが、形式上は寺社奉行の管轄下にあったので、町奉行は扱いにくかった。神仏へ代参する・修行や水垢離を客の代理として行う。また、さまざまな芸による門付や大道芸を行った。僧形の芸人ないし乞食というべきで、僧ではない。
だが晴風は貧乏たらしくせず、境遇を受け入れ楽しんでいる人物たちのように描いている。

『街頭生活者絵巻』(国会図書館デジタル公開)の中に、類似の絵柄がある(これ)。向かって左の人物が高い履物の上にいて鉦を叩き、しかも、頭上に桶を乗せていることなど共通している。見世物の曲芸と通じる苦行をしている。
右の人物は、短冊に何かしたためつつ、歩いている。願文でも書いているのか。

これの原画は古閑『人物草画』の願人

◆-◆

前へ : 目次 : 次へ
inserted by FC2 system