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第二巻 03
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こん/\坊

   安永の頃こん/\坊とて有名の
   乞喰なりしといふ

初雪や
 こん/\坊も
   酒臭し

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『只今御笑草』(巻二-02参照)に「こんこん坊」があり、『俳諧名物鹿子』の図を載せていることを、花咲一男『江戸の乞食芸人』で知った。(これ
享保の末正徳のころ、こん/\坊とて修行者ありける。つらかまへ反歯そっぱにて、口のとがりたるが狐に似たりとて、人々こん/\坊也と呼びはやすを、己かでにも(自分から)おどりものにして、これや王子の稲荷也、(中略)なんどとて、ものこひあるきけるよし(以下略(只今御笑草)
花咲一男は「享保の末正徳のころ」は年号の順序からして、「正徳の末享保のころ」というべきだと指摘している。ともかく、自分のあだ名を逆手にとった面白い「修行者」の乞食坊主が実際にいたのである。

「こんこんさん」というと狐のこと。お稲荷さんをも連想させる。
「雪やこんこ 霰やこんこ。降つては降つては ずんずん積る」は、明治44年(1911)の『尋常小学唱歌二』が初出だそうだ。作詞・作曲は不明。わたしは「雪やこんこん 霰やこんこん」だと思っていた。

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