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第二巻 17
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    瓦板の讀賣

  これ 此度 世に珍敷次第を
  御ろうしろ 絵と平かなにて事
  明細

今日の新聞賣の如く世間の
出来事あれ 直に瓦板に起し
江戸の町中讀賣す
其迅速なること
    新聞の如し


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「瓦板」は通常は「瓦版」。「御ろうしろ」は「御覧うじろ」で「ごらんなさい」。

早稲田大学図書館の「瓦版について」より。
実際に土を固めた版を用いた摺りものもあるが、この種の摺りもののほとんどは木版によるものであった。しかし、浮世絵や書物の版木のように精緻なものでなく、一見粘土板を用いたと思われるような粗悪なものであることが瓦版と称される摺りものに共通していることといえよう。
ところで、「瓦板に起し」という表現は、今も“録音を文字に起こし”など使われている。

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