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第二巻 33
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幽霊の乞喰  安政頃

此乞喰 片足不具にして杖を便に歩行す
常に幽霊にふんして銭を乞ふ
或る時小幡小平次又お菊の幽霊
等得意なり

世の中を あらうらめしと
幽霊の正体見れば
お足なき人


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「杖を便に」は「杖を頼りに」。

【小幡 小平次 こはだ こへいじ】
江戸時代の伝奇小説や歌舞伎の怪談物に登場する歌舞伎役者。幽霊の役で名をあげた後に殺害され、自分を殺した者のもとへ幽霊となって現れた。創作上の人物だが、モデルとなった役者が実在した。(ウィキペディアより

わたしは八代目の林家正蔵(彦六の正蔵、1895~1982)が好きで、ネットから拾ってきて眠れぬ夜のつれづれに聴いているが、正蔵の自作という「二つ面」がYouTubeにあり気に入って、繰り返し聴いている(ここ)。
小幡小平次の幽霊が「おれは幽霊だよ」と言って怪談話を得意とする咄家の前に出て来て、「友達になろうよ」と語る。雰囲気があり親切な幽霊なのである。その幽霊の小幡小平次がいうセリフ「あの世には地獄はないよ、極楽と天国があるだけだよ」。
「正蔵」の追記は 2019-2/25

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