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第二巻 37
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   おうさの婆ヽ

  安政の末頃老婆が一疋の白兎を
  米かし笊に入れおうさが参りましたと
  いふて来りし乞喰なり

昔とりし
 杵のつかのま 忘れじと
 うさを求手に
   婆ヽの生活


◆-◆

「求手」は「元手」。
「米かし笊 米浙笊」は「米揚げ笊」と同じで、米をといでその水を切るのに入れておく笊。ただし、図は深みがあり、籠のようだ。

兎を売るのが目的ではなく、話題作りのために兎をもって歩いたということか。
兎と杵は縁語。

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