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第二巻 38
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星見の目がね

下谷廣徳寺前に定見せを
出し水晶のめかねを以て大陽
の光線より火を取りて板の
端片に文字などを写す又めかねを
見る客あれバ其説明をす
「右に見ゆるハ金曜星左りに
見ゆるか木曜星天道様
星の行道を巡る云々

五ミ雨の時つ間を
 見るや
   星めがね


◆-◆

「五ミ雨」は五月雨。四角い鏡筒は工作が容易。台の上に在る黒い小箱は接眼部か。
ただし、太陽が出ている時に、金星や木星をみせるというのは無理。

【廣徳寺】のこと
『江戸名所図会』巻六に「圓満山廣徳寺」がある。その向かい側に下谷稲荷社があると。「びっくり下谷の広徳寺」、「恐れ入谷の鬼子母神」と有名な地口になっている寺。岡本綺堂の半七捕物帖『筆屋の娘』は、「下谷の廣徳寺前の筆屋」が舞台である。
しかし、関東大震災で練馬区桜台に移って現在に至る。

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